
SNSで『いいね』が50件もついた!
嬉しくて、思わずスマホを何度も見返してしまいますよね。
ブログだって、アクセス解析を見ると100PVを超えていて、思わず笑顔がこぼれる状況。

やった!反応がある!
そう思って、お申し込みメールが届いているか確認すると……ゼロ。
翌日も、翌々日も、1週間経っても、申し込みは来ない。

どうして?反応はあるのに……
そんな経験、ありませんか?
「もしかして、私の文章が悪いのかな」「もっと有益な情報を出さなきゃダメなのかな」って、自分を責めてしまったこともあるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
実は、「反応はあるのに申し込みが来ない」のは、あなたの文章力が足りないからでも、情報量が少ないからでもないんです。
本当の理由は、もっとシンプル。
それは、「お客様が口にしている悩み」と、「お客様が本当に求めているもの」その間に、ほんの少しだけ”ズレ”があるから。
たったそれだけなんです。
この記事では、そのズレの正体、そして、お客様の心に本当に響くメッセージの作り方をお話しします。
読み終わる頃には、「そうか!だからあの投稿は反応止まりだったんだ」ってストンと腹に落ちて、次に何を書けばいいのかが見えてくるはずです。
お客様が「欲しい」と言っているものと、本当に求めているものは違う
「お客様の声を聞くのが大事」 そう聞くと、多くの人が「アンケートを取る」「ヒアリングを丁寧にする」と考えますよね。
もちろん、それ自体はとても大切なことです。
けれど、そこに落とし穴があります。
お客様が口にしている「欲しい」「こうなりたい」という言葉。
実は、それが本音のすべてとは限らないんです。
突然ですが、ちょっと想像してみてください。 あなたのお客様が、こんなふうに相談してきたとします。

集客のやり方を教えてほしいんです。
そう言われたら、あなたはどう答えますか?
多くの方は、きっとこう考えるはずです。
「よし、SNSの使い方を教えよう」「ブログの書き方を伝えよう」「SEO対策について説明しよう」って。
でも、ちょっと待ってください。
もしかしたら、その奥には……
- 毎月安定した収入が欲しい
- 家族に「ちゃんと稼いでる」って認めてもらいたい
- 起業した自分の選択は間違ってなかったと証明したい
そんな想いが隠れているかもしれません。
つまり、「集客方法」は手段であって、目的ではないんです。

これ、実は日常でもよくあることなんですよね。
例えば、夫が「今日は焼肉が食べたい」って言ったとき。
本当に焼肉のお肉そのものが食べたいのか、それとも「久しぶりに外で美味しいもの食べて、リフレッシュしたい」のか。
子どもが「新しいゲームが欲しい」って言ったとき。
ゲームそのものなのか、それとも「友達と同じものを持って、一緒に遊びたい」のか。

表面に出てくる言葉と、心の奥にある本当の願いは、実は違うことが多いんです。
ビジネスでも、まったく同じ。
お客様が「○○を教えてほしい」「○○が知りたい」と言ったとき、その言葉をそのまま受け取って、「じゃあ○○について発信しよう!」ってやっていませんか?
実は、そこに”ズレ”が生まれているんです。
お客様自身も、自分が本当に何を求めているのか、はっきりとは分かっていないことがあります。
だからこそ、私たちがその奥にある「本当の願い」を見抜いてあげる必要があるんですね。
じゃあ、なぜそんなことが起きるのでしょうか?
なぜ「言葉になっている悩み」だけでは不十分なのか?
実は、人間の脳って、とても面白い仕組みになっています。
私たちが何か行動を起こすとき…例えば、「このサービスに申し込もう」って決めるとき。
「頭で考えて決めている」と思いがちですよね。
でも実際は、「心が先に動いている」んです。

ちょっと思い出してみてください。
あなたが最近何か買ったもの、例えば洋服やバッグ、本、オンライン講座……。
それを買おうと決めた瞬間、本当に論理的に考えていましたか?
「この素材は綿100%だから」「このページ数でこの価格なら」「費用対効果を計算すると」……なんて、冷静に分析していたでしょうか。
多分、違いますよね。
「なんかいいな」「これ、欲しい」「私にぴったりかも」って、感覚が先に動いたはずです。
そして、その後で「だって、これは○○だから」って、理由を後付けしたんじゃないでしょうか。

心理学の世界では、こんなデータがあります。
そう、ハーバード・ビジネス・レビューでも紹介されているんです。
つまり、お客様が「私は○○が欲しいんです」って言葉にしているその瞬間には、実はもう心の奥で別の何かが動いている。
だから、「言葉になっている悩み」だけを解決しようとしても、なかなかお客様の心には届かないんですね。
例えば、さっきの「集客を学びたい」というお客様。
もしあなたが、「集客の3ステップ!」「SNS運用の基本テクニック」って発信したとしても、「ふむふむ、勉強になるな」で終わってしまう。
でも、もしあなたが「起業して本当によかったと、胸を張って言える未来を作りませんか?」って語りかけたら?
「……それ、私が本当に欲しかったものだ」って、心が動くんです。
これが、「言葉になっている悩み」と「言葉になっていない本当の願い」の違い。
マーケティングの言葉で言うと、「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」です。
- 顕在ニーズ:お客様が自分で認識していて、言葉にできる悩みや欲求
- 潜在ニーズ:お客様自身も気づいていないけれど、心の奥底で本当に求めているもの
そして、人が「申し込もう」って決めるのは、この潜在ニーズに触れたときなんです。

そうなんだ…。でも潜在ニーズなんて、どうやって見つければいいの?
そう思いますよね。
実は、それほど難しくありません。ちゃんと方法があるんです。
その前に、まずは実際の事例を見てみましょう。
「言葉になっている悩み」で発信していたときと、「潜在ニーズ」に届く言葉で発信したとき、何がどう変わったのか。
具体的にお見せしますね。
実際に変わった3つのケース
ここまで読んで、「なるほど、言葉の奥にある想いが大事なんだな」と思ったかもしれません。
でも、実際にはどんな違いが出るのか、少しイメージしにくいですよね。
そこで、実際に発信の内容を“ほんの少し変えただけで”結果が変わった3つのケースをご紹介します。
もしかしたら、あなたと同じような仕事をしている方の事例もあるかもしれません。ぜひ、「自分だったらどうだろう?」って考えながら読んでみてくださいね。
ケース1:キャリアコンサルタントのAさん
Before:顕在ニーズでアプローチ
Aさんは、転職するかどう悩んでいる人に向けて、こんな発信をしていました。
- 転職活動の正しい進め方を教えます。
- 履歴書の書き方、大事なのは○○。
- 面接で使える自己PR、5つのポイント。
内容は実践的で、すごく丁寧。閲覧数も多く、良い反応だと感じていました。
でも、サービスへのお申し込みはゼロ。

なんでだろう。内容は悪くないはずなのに…。
Aさんは悩んでいました。
After:潜在ニーズでアプローチ
そこで、Aさんは発信の切り口を変えてみたんです。
- 『このままでいいのかな…』というモヤモヤを、ワクワクする未来に変えませんか?
- あなたらしく働ける場所は、きっとある。
- 転職は”逃げ”じゃない。あなたの人生を取り戻す一歩です。
すると、どうなったと思いますか?
閲覧数は少し下がったものの、お申し込みが3件入ったんです。
なぜ変わった?
転職をするかどうか悩んでいる人が心の奥底で深く欲しているもの。それは「履歴書の書き方」といったテクニックではなかったんですね。
本当は、「今の不安から解放されたい」「自分らしく働きたい」「この選択を応援してほしい」…そんな気持ちを抱えていたのです。
だから、その心の奥の願いに寄り添う言葉に変えたとき、「この人に相談したい」って思ってもらえました。
ケース2:メイクレッスン講師のBさん
Before:顕在ニーズでアプローチ
Bさんは、メイクが苦手な女性に向けて、こんな投稿をしていました。
- 眉の描き方、マスターしましょう!
- ナチュラルメイクの基本3ステップ
- 時短メイクテクニック教えます。
投稿は保存されること20件。「役に立ちそう」って思ってもらえている手応えはありました。
でも、レッスンへの申し込みは月に1件あるかないか。
After:潜在ニーズでアプローチ
Bさんは、ある日こう考えたそうです。

「メイクを学びたい人って、本当は何を求めているんだろう?」
そして、発信を変えてみました。
- 鏡を見るたび『素敵』と思える自分になる、たった3つの習慣。
- もう人目を気にしなくていい。自信が持てる顔の作り方。
- あなたの魅力を引き出すメイクで、毎日がもっと楽しくなる!
保存数の変化はなかったけれど、お申し込みは月5件に増えたんです。
なぜ変わった?
メイクを学びたい人が心の奥底で深く欲しているものは、「眉の描き方」というテクニックじゃなかった。
「自分に自信を持ちたい」「周りから素敵って思われたい」「毎朝鏡を見るのが楽しくなりたい」
そんな感情が、心の奥にあったんですね。
その願いに触れる言葉を使ったとき、「私、これを探してた!」って感じてもらえたんです。
ケース3:ファイナンシャルプランナーのCさん
Before:顕在ニーズでアプローチ
Cさんは、将来のお金に不安を抱える人に向けて、こんな発信をしていました。
- 老後資金2000万円、貯める方法
- NISA・iDeCoの始め方
- 家計の見直しで年間50万円節約!
シェアは10件ほど。「ためになる情報だな」と思ってもらえている感覚はありました。
でも、相談の申し込みはゼロ。
After:潜在ニーズでアプローチ
Cさんは、お客様の声をじっくり振り返ってみたそうです。
すると、気づいたことがありました。

みんな、”2000万円”が欲しいわけじゃない。”不安を消したい”んだ。
そこで、こんなふうに発信を変えてみました。
- 「お金の不安」を手放して、今も未来も笑顔で暮らせる家計づくり
- 漠然とした将来の不安、一緒に整理しませんか?
- あなたらしいお金の使い方で、心豊かに生きる方法
すると、シェアはなくなったものの、「いいね」が増え、相談申し込みが4件入ったんです。
なぜ変わった?
「2000万円貯めたい」という言葉の奥には、「漠然とした将来への不安を消したい」「安心して今を楽しみたい」という想いがあったんですね。
その感情に寄り添う言葉を使ったとき、「この人なら、私の気持ちをわかってくれそう」って思ってもらえたんです。

いかがでしょうか?
3つのケースに共通しているのは、「顕在ニーズ(言葉になっている悩み)」だけを解決しようとするのをやめて、「潜在ニーズ(言葉になっていない本当の願い)」に届く言葉に変えたということ。
反応の数字は、ケースによってさまざま。でも、どのケースでも「本当に必要としている人に、ちゃんと届くようになった」んです。

そうは言っても、潜在ニーズなんてどうやって見つければいいの?
そう思いますよね。大丈夫です。ちゃんと方法があります。
次は、明日からすぐ使える具体的なステップをお伝えしますね。
明日から使える!潜在ニーズを見抜く2ステップ
さて、ここまで読んで、こう思ったかもしれません。

潜在ニーズが大事なのはわかった。でも、どうやって見つければいいの?
安心してください。特別な才能やセンスは要りません。
今日からすぐに実践できる、シンプルな2つのステップをご紹介しますね。
ステップ1:過去の対話から「感情の言葉」を探す
まず最初にやることは、お客様が”感情”を口にした瞬間を見つけることです。
ちょっと、過去のメールや問い合わせ、対面での相談を思い出してみてください。
お客様が、こんな言葉を使った場面はありませんでしたか?
- 「不安で…」
- 「嬉しくて…」
- 「悔しくて…」
- 「もやもやして…」
- 「焦っていて…」
- 「ホッとした…」
こういう感情を表す言葉の前後に、潜在ニーズのヒントが隠れているんです。
例えば、こんなやりとりがあったとします。

転職したいんですが、何から始めればいいか不安で…。
この「不安」という感情、どこから来ていると思いますか?
もしかしたら、
- 「失敗したくない」
- 「家族を失望させたくない」
- 「今の自分の選択が間違っていたと思いたくない」
そんな想いが隠れているかもしれません。
もう一つ例を挙げますね。

メイクが上手くなりたいんです。でも、何度やっても上手くいかなくて、もう諦めかけてて…。
この「諦めかけてて」の奥には、
- 「自分に自信を持ちたい」
- 「周りと比べて落ち込みたくない」
- 「もっと堂々としていたい」
そんな願いがあるかもしれません。
ポイントは、お客様が”何か”を説明しようとしているときよりも、”感情”を表現しているときの方が、本音に近いということ。
だから、まずは過去のやりとりを振り返って、「感情の言葉」を3つ、書き出してみてください。
ステップ2:5回の「なぜ?」で掘り下げる
次は、その感情の奥にある「本当の願い」を探っていきます。
使うのは、5回の「なぜ?」という方法。
お客様の言葉に対して、心の中で「なぜ?」を5回繰り返してみるんです。
具体例を見てみましょう。
お客様が「集客を学びたい」と言ったとします。
→お客様を増やしたいから
→今は紹介だけで、先が不安だから
→紹介がいつまで続くかわからないから
→集客に追われて、本業に集中できなくなるのが怖いから
→もっとお客様一人ひとりに向き合いたい。そして、自分の時間も大切にしたいから
ここまで来ると、見えてきませんか?
だから、響く言葉はこうなります。
もう一つ、別の例も見てみましょうか。
お客様が「老後資金の貯め方を知りたい」と言ったとします。
→将来が不安だから
→お金が足りなくなったらどうしようと思うから
→周りで「老後破産」とか聞くから
子どもに迷惑かけたくないから
→自分の人生は自分で責任を持ちたいから。そして、安心して今を楽しみたいから
ここまで掘り下げると、こんなことが見えてきます。
だから、響く言葉はこうなります。
いかがでしょうか?
「5回のなぜ?」を繰り返すことで、お客様自身も言葉にできていなかった本当の願いが見えてくるんです。
【今すぐできる実践ワーク】
では、ここで手を動かしてみましょう。
1. 過去のお客様の声から「感情の言葉」を3つ書き出してみてください。
( )
( )
( )
2. そのうち1つを選んで、「5回のなぜ?」をやってみてください。
1回目)なぜ?
→
2回目)なぜ?
→
3回目)なぜ?
→
4回目)なぜ?
→
5回目)なぜ?
→
3. 見えてきた「本質的な願い」をメモしてください。
→
これが、次のSNSやブログの投稿で使える「響く言葉」のヒントです!
ここまで読んで、少しずつ「潜在ニーズ」のイメージが掴めてきたんじゃないでしょうか。
実際にワークをやってみると、「あ、そういうことか!」って腑に落ちる瞬間があるはずです。
では最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
まとめ
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
最後に、この記事のポイントを振り返っておきますね。
この記事でお伝えしたこと
- 反応はあるのに申し込みが来ない理由の1つは「メッセージのズレ」
- お客様が「欲しい」と言っているものと、本当に求めているものは違う
- 人は「考えて買う」より「感じて決める」
→潜在ニーズに響く言葉が必要 - 見つけ方:
1. 感情の言葉を探す
2. 5回の「なぜ?」で掘り下げる
「いいね」や「保存」がたくさんついても、お申し込みにつながらないのは、お客様が口にしている「言葉になっている悩み(顕在ニーズ)」にだけアプローチしていたから。
でも、本当に人の心を動かすのは、言葉になっていない本当の願い(潜在ニーズ)なんです。
お客様自身も気づいていない、心の奥にある願い。
それを見抜いて、そこに届く言葉で発信できたとき、「この人に相談したい」って思ってもらえるんですね。
難しく考える必要はありません。
まずは、過去のお客様の声から「感情の言葉」を3つ探すことから始めてみてください。
やがて、あなたの言葉に「まさにそれ、私のことです!」という反応が返ってくるようになります。
その瞬間こそ、あなたの発信が“誰かの心に届いた証拠”です。
あなたの発信が、誰かの背中をそっと押す言葉になりますように。
今日の内容が、その第一歩になれば嬉しいです。