
もう少し安くしてもらえませんか?
お客様からそう言われて、ドキッとしたことはありませんか?
- この価格を言ったら、“高い”って思われるかな…
- 安くしないと、他の人に流れてしまうかも…
本当は、もっと自信を持って“あなたのサービスの価値”を伝えたいけど、「高い」と言われるのが怖くて、一歩を踏み出せない…。
そんな葛藤を抱える女性起業家は少なくありません。

実は、以前の私もそうでした。
「安くしないと、売れない」そう思っていたんです。
でも、それは違いました。
お客様が「高い」と感じるのは、金額そのものが原因ではなかったのです。
原因は、お客様が“その価格に納得できていない”こと。
価格を下げることは、短期的には安心を得られても、長期的には自分をすり減らしていく選択。
一方で、“納得される理由”を作ることができれば、価格を下げなくても自然と選ばれるようになります。
しかも、あなた自身も罪悪感なく、堂々と価格を提示できるようになるんです。
この記事では、「安くしても売れない人」と「高くても選ばれる人」の違いを明らかにしながら、お客様から“高い”と言われないための考え方と設計のヒントをお伝えします。
「安くすれば売れる」は勘違い。安くしても売れないのはなぜ?

値段を下げれば、きっと申し込んでもらえるはず
そう思って、少し勇気を出して値下げしたのに、反応が変わらなかった…。
そんな経験はありませんか?
私も以前、同じことを繰り返していました。

もっと手の届く価格にしたら、選んでもらえるかもしれない
そう信じて値段を見直しても、結果はほとんど変わらなかったんです。

なんで?こんなに安くしたのに…
そのとき、ふと思ったんです。
もしかして、「安い=売れる」って、思い込みだったのかもしれないって。
そして、それは正解でした。
人は、「価格だけで判断していない」のです。
お客様の頭の中で起きている「意外なこと」
ここで、ちょっと面白い話をさせてください。
脳科学の研究でわかったことなんですが、私たちが何かを買おうとするとき、脳の「痛み」を感じる部分が反応するそうなんです。

えっ、買い物で痛み?
そう思いますよね。私も最初は驚きました。
でも、これが本当なんです。
財布からお金を出すとき、脳は文字通り「痛い」と感じているそうなんです。
そして、ここからが重要なポイント。
なんと、「高いから痛い」わけじゃないそうなんですよ。
金額の大きさは関係ない?
例えば…
車を買う場合、オプションの価格が10万円と言われても、「そんなもんかな」って思って「わかりました」って言うんじゃないでしょうか。
でも、お茶を買うときに、150円くらいかなって思ってたら、1,000円だった。必要だから支払うけど、なんだかすっごく腹が立ちませんか?
10万円と1,000円。
金額は100倍も違うのに、1,000円の方が「痛い」と感じる。

不思議ですよね。でも、この違和感こそが、脳の面白いところなんです。
購入時の痛みの強さは「金額の大きさ」ではなく、「適正かどうか」だからなんです。
つまり、お客様の脳は、金額の大きさそのものではなく、「この商品・サービスに対して、この価格は適正か?」を判断しているんですね。
「安い」が売れない理由
ここで、ハッとしたんです。

私のサービスが売れなかったのは、「高いから」じゃなくて、お客様の脳が「適正だ」と感じていなかったからだったのかもって。
しかも、もっと衝撃的な事実がありました。
「安すぎる」と、逆に不安を感じるお客様もいるんです。
- この値段で大丈夫?安かろう、悪かろうじゃやだな…
- 本当に効果があるのかな?
- ちゃんとサポートしてもらえるのかな?
そんな不安を、無意識のうちに抱いてしまう。
だから、安くしても選ばれなかったんですね。
あなたのサービスは、本当に「高い」?
ここで、ちょっと考えてみてください。
もしかしたら、お客様が「納得できる理由」を見つけられていないだけかもしれません。
同じサービスでも、提供の仕方や伝え方を変えるだけで、お客様の脳が感じる「適正価格」は変わります。
スターバックスのコーヒーを思い出してください。
同じコーヒーなのに、値段は5倍近く違います。
でも、スタバで「高い!」とは感じませんよね?
それは、スタバが「納得できる理由」をちゃんと作っているから。
空間、接客、ブランド、体験…すべてが「この価格は適正だ」とお客様の脳に感じさせているんです。
実は、あなたのサービスも同じなんです。
どんな価格でも、“理由”を伝えられれば、お客様は安心して選べます。
大切なのは「納得」
つまり、こういうことなんです。
そして、それは決して難しいことじゃありません。
次の章では、高くても選ばれる人が知っている「4つの秘密」をお伝えします。
この秘密を知れば、あなたも罪悪感なく、自信を持って価格を提示できるようになりますよ。
高くても選ばれる人が知っている4つの秘密

高くても選ばれる人って、何が違うんだろう…
そう思ったこと、ありませんか?
実は、高額でも選ばれる人には、共通点があるんです。
それは、特別な才能でも、長年の実績でもなく、人の「思考パターン」を踏まえた4つ秘密です。
1. 『高い』『安い』を決めているのは“誰の基準”?

このサービスの適正価格って、いくらなんだろう…
そう悩んだこと、ありませんか?
実は、ここに大きな勘違いがあったんです。
「適正価格」って、絶対的なものじゃなく、相対的なもの。
つまり、状況や見せ方で変わるものなんですね。
ちょっと面白い実験があるので、紹介させてください。
ビーチのビール実験
経済学者のリチャード・セーラーが行った、有名な実験です。
ビーチで喉が渇いた人たちに、こう質問しました。

今からビールを買ってきますが、いくらまでなら払いますか?
パターンA:「近くの小さな雑貨店で買ってきます」
パターンB:「ビーチ沿いの高級リゾートホテルで買ってきます」
その結果、驚くことに、同じビールなのに、高級ホテルで買う場合は、雑貨店の約2倍の価格でも「妥当だ」と感じることが分かったんです。
お客様の脳は、「絶対的な価値」ではなく、「この状況なら、この価格は妥当かな」と判断しているんですね。
あなたのサービスも同じ
つまり、あなたのサービスも、見せ方次第で「適正価格」は変わるということ。
- どんな環境で提供するか(Zoomの背景、使うツール、雰囲気)
- どんなストーリーを伝えるか(あなたの経験、想い)
- どんな体験を提供するか(特別感、寄り添い方)
こういった要素が、お客様が感じる「適正価格」を作っているんです。
だから、「この価格では高すぎるかも…」と不安に思う前に、「どうすれば、この価格が適正だと感じてもらえるだろう?」と考えてみてください。
2. なぜ“セット”にすると売れやすくなるの?
もうひとつのポイントは、脳の“性質”にあります。
それは、「人の脳は、セットになっている個々の商品と具体的な価格を結びつけるのが苦手」ということ。
「豪華フル装備パック:100万円」と見積書に書いてあるとします。
この中には、カーナビや高級シート、ドライブレコーダーや後部座席用のモニターなど、いろいろ入っています。
このように「セット」になっていると、それぞれのアイテムと価格がつなげにくくて、「これだけ入ってこの価格なら、お得かも」と感じるのですね。
これは大企業のマーケティングでもよく使われる仕組みで、実際、車や家電、化粧品などでも「セット割」「スターターキット」などが多いのはそのためです。
私たち、起業女性の身近なサービスで例えると、
という単発サービスよりも、
のほうが、“お得感”を感じやすくなる、ということです。
3. 同じ金額なのに、支払い方で“軽く感じる”のはなぜ?
さらに、人の脳が感じる“支払いの痛み”には、もうひとつ特徴があります。
それは、財布から現金を出すときに「痛み」を感じるということ。

たしかに、お財布からお金が出ていくときは、チクッとするかも…
そこで、有効なのが、クレジットカード払いです。
ある調査によると、同じ商品でも、現金払いのみより、クレジットカード払いを導入した方が、約1.8倍の売り上げアップになったそうです。
そして、支払い時では、金額の大きさも影響します。
それは、「一気に払う金額が大きいと痛みが強くなる」ということです。
と言われるのと、
と言われるのでは、どちらが「払えそう」と感じますか?
金額は同じなのに、後者の方が心理的ハードルが下がりますよね。
これも、脳の仕組みなんです。
ここで大切なのは、お客様の気持ちを軽くしてあげること。
価格そのものを下げるのではなく、「支払いの安心感」を作ることです。
4. なぜ“成果にこだわる人”ほど価格を下げないのか?
さて、ここが最も重要なポイントです。
高くても選ばれる人は、単に「セット化すれば単価が上がる」と考えているわけじゃありません。
低単価のサービスでは、どうしても「時間内でできること」や「部分的なサポート」に限られてしまいます。
でも、お客様が本当に求めているのは、「一時的な助け」ではなく「結果につながる変化」です。
たとえば、ダイエットでも「1回のトレーニング体験」より、「3ヶ月の伴走プログラム」の方が成果が出やすいですよね。

継続的にサポートできるから、お客様が途中で諦めずに、ゴールまで到達できるんです。
だからこそ、本気で成果を出すサポートは、安くできない。
逆に、価格が高いほど「しっかりサポートしてもらえる」「私も本気になれる」と感じるお客様も多いんです。
あなたのサービスが「お客様の未来を変えるもの」であるなら、その価値を守るために、きちんと対価を設定することは悪いことではありません。
ここまで読んで、「なるほど、価格そのものじゃなくて“伝え方や仕組み”なんだ」と感じた方も多いのではないでしょうか。
この4つを知っているかどうかで、「安くても売れない人」と「高くても選ばれる人」の差が生まれるんです。
では、具体的に、どのように“高くても選ばれるサービス”を作ればいいのでしょうか。
“高い”と言われない高額商品の作り方
ここまで、「高くても選ばれる人の秘密」をお伝えしてきました。

なるほど、理屈は分かった!
でも、実際にどうやって作ればいいの?
そう思った方も多いのではないでしょうか。
ここからは、あなたのサービスを「高くても選ばれるサービス」に変えていく、具体的なステップをお伝えしますね。
一緒に、あなたのサービスを見直していきましょう!
ステップ1:お客様の“望んでいる未来”を言語化する
まず最初に考えたいのは、 「お客様は、何を手に入れたいのか?」 ということです。
人は、「何を得られるか」がわかると、価格ではなく結果で判断するようになります。
例えば、あなたが「ブログ集客講座」を提供しているとします。
お客様が求めているのは、「ブログの書き方を知ること」でしょうか?
違いますよね。
本当に求めているのは、
- ブログから毎月安定して問い合わせが来る
- 紹介に頼らず、自分で集客できるようになる
- 値下げ交渉されずに、適正価格で選ばれる
こういった「結果」や「変化」なんです。
あなたのサービスを受けたお客様は、どんな“理想の状態”を手に入れるでしょうか?
3つ、書き出してみましょう。
ステップ2:ゴールを達成するために必要な「すべての要素」を洗い出す
次に考えたいのは、「そのゴールを達成するには、何が必要か?」ということ。
ここで大切なのは、「単発のサービス」ではなく、「ゴールまでの道のり全体」を見ること。
例えば、「ブログから集客できるようになる」というゴールなら
- ブログの書き方(基礎スキル)
- SEOの知識(集客の仕組み)
- 継続して書く習慣(実践)
- つまずいたときのサポート(伴走)
- モチベーション維持(メンタル)
こんなふうに、いろんな要素が必要ですよね。
単発の「ブログ講座1回」では、この全部はカバーできません。
だから、お客様は成果が出にくいんです。
お客様のゴール達成に必要な要素を全て書き出してください。
そして、その要素をカバーできている今の単発サービスを書き出してください。
カバーできていない部分のメニュー化等、どのようにカバーするか考えましょう。
ステップ3:必要な要素を「パッケージ」にまとめる
さて、ここからが楽しいところです。
今洗い出した「必要な要素」を、一つのパッケージにまとめていきましょう。
パッケージ化の3つのパターン
パターン1:時間軸でまとめる
単発 → 3ヶ月プログラム
例:
- 月2回の個別セッション × 3ヶ月 = 6回
- 期間中のLINE相談し放題
- 月1回のグループセッション
- 専用ワークシート・チェックリスト
※お客様が「途中で諦めずにゴールまで到達できる」設計です。
パターン2:内容でまとめる
単発講座 → フルサポートパッケージ
例:
- ブログ講座(基礎)
- SEO講座(集客)
- 個別添削3回(実践)
- 質問し放題(サポート)
※「部分的なサポート」ではなく「トータルサポート」で成果を出す設計です。
パターン3:段階でまとめる
バラバラ → ステップアップコース
例:
- 基礎編(知識)
- 実践編(行動)
- 応用編(定着) を一つのコースとして設計
※「知識 → 行動 → 定着」と段階を踏むから、確実にスキルが身につく設計です。
あなたのサービスについて、商品名、含まれるもの、期間、価格を考えて、パッケージとして書き出しましょう。
ステップ4:「納得される理由」を作る
さて、パッケージができたら、次は大切なステップ。
「なぜこの価格なのか」を、お客様に納得してもらえる形で説明することです。
まずは、「この価格には、これだけの価値が含まれている」ということを見える化してみましょう。
価値の積み上げ方
このプログラムには:
- 個別セッション 月2回 × 3ヶ月 = 6回
(相場:1回 ○○円 = ○○円分) - LINE相談無制限(3ヶ月間)
(相場:月 ○○円 = ○○円分) - グループセッション 月1回 × 3回
(相場:1回 ○○円 = ○○円分) - 専用ワークシート・ツール集
(○○円分) - 合計:○○円相当
↓
今回のパッケージ価格:○○円
このように積み上げてセットにして、「全体での価値」を伝えましょう。
さらに、
- 実績・お客様の声・事例を見せる
- 提供の流れや期間を明確にする
- 保証・フォロー体制を見える形にする
を考え、“高い”と思わせない仕組みを、設計で作っていきましょう。
- あなたのパッケージの価値を計算してみよう
- あなたのサービスで「お客様が安心できる要素」を書き出そう
ステップ5:「支払いやすさ」を設計する
最後に、もう一つ大切なこと。
それは、お客様が「払いやすい」と感じる環境を整えることです。
考えられる選択肢
1. 決済方法を増やす
- 銀行振込
- クレジットカード
など。
2. 支払い回数を増やす
- 一括払い
- 分割払い
- サブスク
など。
3. 段階的なプランを用意する
- ベーシック:150,000円
- スタンダード:300,000円(人気!)
- プレミアム:500,000円
- 真ん中のプランが選ばれやすくなる、という心理効果もあります。
- 決済方法を考えよう
- 支払い回数を考えよう
- 価格プランを考えよう
「こんなに選択肢があったら、お客様も選びやすいかも!」って、そう思いませんか?
大切なのは、価格を下げることじゃなく、お客様が「安心して選べる」環境を作ることなんです。
「罪悪感」は手放していい

ここまでワークを進めてみて、いかがでしたか?
もしかしたら、こんなふうに思った方もいるかもしれません。
- こんなに高い価格をつけて、本当にいいのかな…
- お客様に申し訳ない気がする…
でも、思い出してください。
あなたが作ったパッケージは、
- お客様のゴールを達成するために必要なすべてが入っている
- 単発では出せなかった「成果」が出せる
- お客様が途中で諦めず、最後まで伴走できる
つまり、お客様のための価格なんです。
安くして、お客様が成果を出せない方が、よっぽど申し訳ないことだと思いませんか?
しかも、お客様が成果を出してくれたら、
- 感謝される
- リピートしてくれる
- 紹介してくれる
- あなた自身もやりがいを感じられる
これは、お客様にとっても、あなたにとっても、Win-Winなんです。
だから、罪悪感を手放していいんです。
堂々と、あなたのサービスの価値を伝えてください。
「高い」と言われるのが怖かった日々は、今日で終わりです。
これからは、あなたの価値を正当に評価してくれるお客様と出会い、Win-Winの関係を築いていきましょう。