特商法の住所表示どうしてる?フリーランス(個人事業主)の困りごと「自宅住所をホームページに載せたくない」ときの対策

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フリーランス(個人事業主)の困りごと「自宅の住所をホームページに載せたくない」。特定商取引法に基づく表示の住所どうしてる?

コンサルタントやカウンセラー、コーチやファイナンシャル・プランナーなど、必ずしも店舗が必要ではない職業の場合、自宅を職場にしているフリーランス(個人事業主)の方は少なくないのではないでしょうか。

そんなときに困るのが、ホームページに掲載する住所です。

Web集客をしていたらホームページに掲載している(もしくはどう掲載しようか悩んでいる)であろう『特定商取引法に基づく表示』。そこに自宅の住所ってできれば載せたくないですよね。でも、そのためだけに普段使わない事務所を構えるのはコストが大きすぎるので節約したい部分です。

そこで今回は、在宅ワークしているフリーランス(個人事業主)にオススメの特定商取引法に基づく表示内の住所の載せ方をご紹介いたします。

目次

フリーランス(個人事業主)にオススメはバーチャルオフィス

あまりお金をかけず、でも住所もきちんと掲載したい場合、オススメは「バーチャルオフィスを利用する」です。

バーチャルオフィスとは、レンタルオフィスやシェアオフィスなどとは違い、実際の物理的な場所がないオフィスになります。バーチャルオフィスのサービス内容は、下記のようなものが多いです。

  • 住所の貸し出し
  • 郵便物の受け取り・転送
  • 会議室の貸し出し
  • 登記や個人事業主の開業届に記載する住所利用

他にも、法人登記手続きの代行や税理士の紹介など、オプションが充実しているものもあります。

住所を借りる以外に、郵便物の受け取りや転送がどれくらい発生しそうか、会議室を利用したいかどうかなど、事業に必要なサービスを考えて契約しましょう。

また、今は個人事業主でも「売上・事業が拡大して法人化を目指したい」と思っている方は、登記の際に住所が利用可能であることも重要です。

ライターまり子の場合

住所の使い分けとして、開業届に記載する住所は自宅にし、ホームページ上に掲載する住所をバーチャルオフィスにしています。バーチャルオフィスの住所は、利用したいオプションの変化などで契約を変更する可能性があるため、開業届は自宅にしようと思いました。

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フリーランス(個人事業主)は全員「特商法に基づく表示」をしなくちゃダメ?

ここまでホームページに住所を掲載する前提で進めてきましたが、「そもそもなんでホームページに住所を掲載しなくちゃいけないんだろう?」と疑問を持つ方もいらっしゃると思います。

そこで、特定商取引法に基づく表記についても少しご説明しますね。

特定商取引法に基づく表記ってなんだろう?

特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。

(出典:「特定商取引法ガイド」消費者庁 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/ )

とあるように、トラブルが起きやすい販売形態のサービスに対して、トラブルになりにくいようにルール決めしているから守ってね、というものです。

では、どのような販売形態のものが対象になるかというと、下記の7種類になります。

  1. 訪問販売
    事業者が消費者の自宅等に訪問して、商品や権利の販売又は役務の提供を行う契約をする取引のこと。 キャッチセールス、アポイントメントセールスを含みます。
  2. 通信販売
    事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引のこと。 「電話勧誘販売」に該当するものを除きます。
  3. 電話勧誘販売
    事業者が電話で勧誘を行い、申込みを受ける取引のこと。 電話を一旦切った後、消費者が郵便や電話等によって申込みを行う場合にも該当します。
  4. 連鎖販売取引
    個人を販売員として勧誘し、更にその個人に次の販売員の勧誘をさせる形で、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品(権利)・役務の取引のこと。
  5. 特定継続的役務提供
    長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引のこと。現在、エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の7つの役務が対象とされています。
  6. 業務提供誘引販売取引
    「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引のこと。(例:販売されるパソコンとコンピューターソフトを使用して行うホームページ作成の在宅ワーク)
  7. 訪問購入
    事業者が消費者の自宅等を訪問して、物品の購入を行う取引のこと。

この中でWeb集客をしているフリーランス(個人事業主)にとって、一番関連性が高いのが「通信販売」ではないでしょうか。

通信販売というと物販をイメージするかもしれませんが、「『商品若しくは特定権利の販売』又は有償で行う『役務の提供』」を「インターネット上のホームページなどによる広告や、ダイレクトメール等を見た消費者が、インターネット等で購入の申込みを行う取引方法」ということで、無形サービスであってもその対象であり、ホームページからの申し込み受付は通信販売にあたります

ただ、「営業のため、又は営業として締結するもの」は特定商取引法は適用されません。これは、事業者同士の契約ということです。この法律で守られる対象者は一般消費者ということです。

また、「他の法令で消費者の利益を保護することができる等と認められるもの」も適用されません。具体的には、「金融商品取引法に基づき登録を受けた金融商品取引業者が行う販売又は役務の提供」などです。

  • 他にも適用除外項目があります。すべての適用除外を確認する場合は、「こちらの3.適用除外」をご確認ください。

どんなことを表示しなければいけないの?

では、ホームページからのお申し込み受付しているフリーランス(個人事業主)として、「特定商取引法に基づく表示」はどんなことを記載すればいいのでしょうか?

具体的には、下記の項目になります。

  1. 販売価格(送料についても表示が必要)
  2. 代金の支払時期方法
  3. 商品の引渡時期(サービスの提供時期
  4. 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容(期間限定販売など)
  5. 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(「キャンセルおよび返品について」など)
  6. 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
  7. 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
  8. 事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
  9. 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
  10. 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容(「商品に欠陥がある場合を除き、返品には応じません」等。記載がない場合、民法の一般原則に従うことになります)
  11. いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
  12. 契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び販売条件又は提供条件
  13. 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときは、その内容
  14. 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
  15. 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス

本サイトをご覧いただくフリーランス(個人事業主)の方にとって対象となりやすい項目を強調表示しています。

これらの表示の目的はお客様に悪質な勧誘と思われないよう、トラブルにならないように必要事項をお伝えすることなので、決められた文言は特にありませんが、そうするとどのように書けばいいのか戸惑ってしまいますよね。

消費者庁の「特定商取引法ガイド」には、各項目の解説や表示例・Q&Aのページがありますので、ぜひ参考になさってください。

ご自身と似ているサービス提供者がどのような表示をしているかをご覧になり、わかりやすい表示を考えることもよいと思います。本サイト「Granvi」の特定商取引法に基づく表示はこちらになりますので、よろしければ参考になさってください。

住所そのものを掲載しない方法もある

前項でご案内した「特定商取引法に基づく表示」の項目ですが、全てを必ずホームページ上に掲載しなければいけないかというと省略可能な項目もあるんです。

実は、このページのテーマとなっている「住所」も省略可能な項目の一つです。

なぜ省略可能かというと、表示媒体によってその表示スペースなどがさまざまで、「全ての項目を絶対に表示」とすることは実態にそぐわない面があるからです。

省略できる項目は住所以外にもあり、表でご紹介します。なお、「販売価格・送料その他消費者の負担する金額」を「全部表示したとき」と「全部表示しないとき」で異なる項目があるのでご注意ください。

スクロールできます
表示事項全部表示
したとき
全部表示
しないとき
代金等の支払時期              (前払いの場合)
                      (後払いの場合)
省略できない
省略できる
省略できる
省略できる
代金等の支払方法省略できる省略できる
商品の引渡時期等            (遅滞なく行う場合)
                        (それ以外)
省略できる
省略できない
省略できる
省略できる
申込みの期間に関する定めがあるときは、
その旨及びその内容
省略できない省略できない
返品に関する事項を除く契約の申込みの
撤回又は解除に関する事項
省略できる省略できる
返品に関する事項(返品の可否・返品の期間等条件、
返品の送料負担の有無)
省略できない省略できない
販売業者の氏名(名称)、住所、電話番号省略できる省略できる
法人であって情報処理組織を使用する広告の場合に
法人においては代表者名又は責任者名
省略できる省略できる
事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、
国内に事務所等を有する場合には、その所在場所及び電話番号
省略できる省略できる
引き渡された商品が種類又は品質に関して     (負う場合)
契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任 (負わない場合)
省略できる
省略できない
省略できる
省略できる
ソフトウェアを使用するための動作環境省略できない省略できない
契約を2回以上継続して締結する場合の
販売条件又は提供条件
省略できない省略できない
販売数量の制限等特別の販売条件(提供条件)
があるときは、その内容
省略できない省略できない
請求により交付する書面又は提供する電磁的記録が
有料のときは、その価格
省略できない省略できない
(電子メールで広告するときは)電子メールアドレス省略できない省略できない
出典:「特定商取引法ガイド」消費者庁 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/

このように、フリーランス(個人事業主)が表示を戸惑いがちな「住所」と「電話番号」は省略できるんですね。

ただ、省略するには条件があり、「消費者からの請求によって、これらの事項を記載した書面(インターネット通信販売においては電子メールでもよい)を『遅滞なく』提供することを広告に表示し、かつ、実際に請求があった場合に『遅滞なく』提供できるような措置を講じている場合」となっています。

なので、省略する場合には、例えば「住所については、お取引の際にご請求をいただければ、遅滞なく開示いたします。」というような文章を掲載しましょう。お申し込みについて確認したいことがあって電話番号を知りたいお客様もいらっしゃると思いますので、さらに「お問い合わせはフォームをご利用ください」等を追記すると、お客様の請求の手間を減らせる可能性があります。

バーチャルオフィスと表示の省略、どちらがいいんだろう?

住所や電話番号が省略できるとはいえ、情報が「請求により開示する」となっているより、最初から表示されている方がお客様としては安心感があるのではないでしょうか。

また、特定商取引法に基づく表示として住所が表示されていたら(バーチャルオフィスの住所だとしても)、あえて開示請求を送ろうと思うお客様も少ないのではないでしょうか。事業者側としても自宅の住所の開示頻度は少ない方が嬉しいですよね。

今は月額費用が抑えめのバーチャルオフィスもありますし、ここではバーチャルオフィスを検討してみることをお勧めします。

ちなみに消費者庁「特定商取引法ガイド」の「通信販売広告Q&A(Q18)」によると、以下のような措置が講じられ、「住所」については現に活動している住所、「電話番号」については確実に連絡が取れる番号という要件が満たされる場合は、バーチャルオフィスの住所および電話番号の表示でよいとされています。

  • 個人事業者がプラットフォーム事業者の住所及び電話番号を表示する場合、当該個人事業者の通信販売に係る取引の活動が、当該プラットフォーム事業者の提供するプラットフォーム上で行われること
  • 個人事業者がプラットフォーム事業者又はバーチャルオフィスの住所及び電話番号を表示する場合、当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィスの住所及び電話番号が、当該個人事業者が通信販売に係る取引を行う際の連絡先としての機能を果たすことについて、当該個人事業者と当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィス運営事業者との間で合意がなされていること
  • 個人事業者がプラットフォーム事業者又はバーチャルオフィスの住所及び電話番号を表示する場合、当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィス運営事業者は、当該個人事業者の現住所及び本人名義の電話番号を把握しており、当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィス運営事業者と当該個人事業者との間で確実に連絡が取れる状態となっていること

住所のみならず、打ち合わせや講座・勉強会など、場所を借りたいと思うことがありそうな場合、会議室が利用可能かどうかも選択のポイントです。バーチャルオフィスが用意している会議室は、利用料金が低コストの場合がよくあるので、ぜひチェックしてみましょう。

とはいえ、できれば費用はあまりかけたくないもの。

そこで、月額費用が5,000円未満(税抜)のバーチャルオフィスをリサーチしましたので、バーチャルオフィス検討のご参考になりましたら幸いです。今は「横浜市西区」の住所のみですが、他の住所もリサーチを進めましたら追記していきます。

横浜市西区の住所で月額料金5,000円未満(税抜)のバーチャルオフィス

スクロールできます
サービス名入会金
月額料金
住所
レンタル
郵便受取会議室
利用
登記
月額料金が3ヶ月間無料
キャンペーン中
5,500円
990円
(年契約のみ)
転送別料金1,100円/h
入会金なし
1,650円
転送込
HamaPort5,000円
2,000円
(登記利用3,800円)
転送別料金1,000円/h
非会員別料金
入会金なし
4,180円
転送別料金800円/h
10,780円
5,280円
転送込1,100円/h
(料金は税込価格、2022年12月22日現在の情報)

この中で子連れで利用しやすい会議室は「ワンストップビジネスセンター」でした。ワンストップビジネスセンターは、横浜市西区の住所契約でも横浜以外の全国に用意されている会議室を利用できます。

その会議室はマンションの一室タイプで完全個室なので、お子様連れでいらっしゃるお客様にもご案内しやすいです。また、会議室内にウォーターサーバーやティーバッグなどもあるので便利です。

レゾナンスは「会議室がお子様に優しい作りになっていないためご遠慮ください」とご回答いただきました。(他はわかり次第追記します)

会議室利用も考えている方は、どのように利用したいかによって事前に問い合わせてみることをお勧めします。

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この記事を書いた人

半沢 まり子のアバター 半沢 まり子 Webライター/ウェブ解析士

「質問力×文章力×解析力」を活かしたWebライティング集客で、ひとり起業家の堅実的で継続的なWeb集客をサポートしている。ホームページ作りやWebライティングからデータ解析・改善提案を含めたトータルサポート、会社員時代のユーザーサポート経験による丁寧で分かりやすいサポートが好評。行政が強いジャンルでGoogle検索結果の上位獲得や大手メディアへの寄稿実績あり。

ライフステージの変化に合わせて自分らしく働く女性をサポートすることで、ゆとりのある家庭を増やし、子育てしやすい環境を育むことが目標。

横浜在住の二人の娘を持つシングルマザー。

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